15. 繋辞(be動詞)
今回は心機一転、タグじゃないことをやろう!いわゆる “be動詞” に相当する語についてやるよ。
やったー!ずっとタグタグ言ってたもんね最近。be動詞ってことは「A=Bだ」みたいな文を作るってこと?
大雑把にはそういうことだね。
とはいえ、ロジバンでは「x は[一般名詞]だ」というようなのはすべて述なれ語で表現されるので、{ti mlatu} (これは猫だ)とか {ti bloti}(これは舟だ)と言った表現ではbe動詞(みたいなもの)を使う必要はありません。
ま、だから後半に持ってきたんだけどね。
ふむふむ…。まあそれでも「この人がミカちゃんです」とか「あれがあの舟だ」みたいなことを言うときには必要だよね。
そだね。
さて。ロジバンでは、be動詞(みたいなもの)を少し拡張したものが用意されています。
- me
- 項(sumti)の前に付いて、「x1 は [項] のうちにある」というPSの述なれ語にする
me のPSはちょっと訳しにくいんだよね。「A me B」のとき、AとBは次の3つのいずれかを満たします:
- Aの指示対象が1つのとき、それがBの指示対象の中に含まれる。(≒「A は B のうちの1つだ」)
- Aの指示対象が複数のとき、それら全てが[項]の指示対象の中に含まれる。(≒「A は B のうちのいくつかだ」)
- Aの指示対象と、[項]の指示対象が一致している。(≒「A は B と同一だ」)
こう…、Bの指示対象がAの指示対象を覆っている感じ、かなあ。イメージはできるけど、言葉では言いにくいね。
絵で描いたらこんな感じかな?
大体そんな感じのイメージを持ってくれてたらいいよ!
まとめると、「Aが指示するものはすべてBも指示する」ということだね。
- lo vi nanmu cu me lo dinju cikre
- この男は建物修繕者たちの一人だ。
- dinju
- x1 は x2 (目的)のための建造物
- cikre
- x1 は x2 を x3 (使用)のために修理/修復/修繕する/直す
ひとつだけ注意してほしいのが、「一部」の意味合い。たとえば、「このネジはその機械の一部だ」というときは me は使えません。機械はネジとか歯車とかを組み合わせた1つの集合体であって、それ自身とネジは同一ではないからです。こういうときには pagbu(一部だ)を使います。
- lo vi klupe cu pagbu le minji
- このネジはその機械の一部分だ。
- klupe
- x1 は x2 (目的)のためのねじ/ボルト
- minji
- x1 は x2 (機能/用途)の機械
- pagbu
- x1 は x2 (本体)の部分/部品/要素
ちょっとややこしいことなので、よく分かんなかったら飛ばしていいよ。
ううん、なんか難しいね。pagbu は指示対象同士の関係で、 me は指示同士の関係って感じかなあ。
さて、それでは「AとBは同一だ」というにはどうすればいいかと言いますと、 du を使います。
もう少しきちんと言えば、「Aの指示対象とBの指示対象が一致する」くらいの表現だね。
- du
- x1 は x2 と同一だ
du も me と同様、機能語だけど述語として使えます。
- ti du la .mikan.
- これがミカです。
- tu du le bloti
- あれがあの舟だ。
True/False Questions
- me は基本的には「~のうちのひとつ/いくつかだ」と訳せばよい。
- du は同一関係を表し、機能語であるが、述語として用いることができる。
- A du B であるならば、必ず A me B でもある。
-/- answers correct!