9. 項番明示(FA類)
なんか結構ロジバンやってきた感あるぞ。
文の基本的な構造でしょ、複合語(tanru)でしょ、冠詞でしょ、そんでSE類。
そうだね。初歩の初歩はできてきたかも。じゃあ、この辺りでFA類という単語群を教えようかな。
ふぁるい?
これらは表現力を広げるというよりは、見やすい文を書くためのテクニック。
省エネ文を書くためのテクニックでもあるね。たとえば、こんな文。
- mi klama zo’e zo’e zo’e ti
- 私はこれを用いて行く
さっきも出てきたよね。
そうそう。でさ、これ、zo’e 多くない?
まあ確かにずっと思ってたけど。でもこのzo’eがないと
- mi klama ti
- 私はここへ行く
になっちゃうし、省略もできないじゃん?
その通り。ここでFA類の登場!FA類は項の頭について、その項が何番目のものかを明示します。
- mi klama zo’e zo’e zo’e ti = mi klama [zo’e] [zo’e] [zo’e] fu ti
- 私はこれを使って行く。
項の番号を明示できるから、間のzo’eを書かずに済むんだ。これは結構便利かも。
- fa
- 項番明示。項の直前について、その項が x1 の位置であることを明示する。
- fe
- 項番明示。項の直前について、その項が x2 の位置であることを明示する。
- fi
- 項番明示。項の直前について、その項が x3 の位置であることを明示する。
- fo
- 項番明示。項の直前について、その項が x4 の位置であることを明示する。
- fu
- 項番明示。項の直前について、その項が x5 の位置であることを明示する。
ちなみに、SE類の処理とFA類の処理については、まずSE類を処理して、そのあとでFA類を処理します。つまり、転換が先に起きて、転換された述語のPSに従ってFA類は処理されるよ。
ちょっと練習してみよっか。
- 次のロジバン文を日本語に訳してみよう。
- mi dunda fi do
- lo nanmu ku tavla fo la .lojban.
- lo verba ku ciska fi lo pelxu pelji ku lo pinsi ku
- dunda
- x1 は x2(物)を x3 に与える
- nanmu
- x1 は男
- tavla
- x1 は x2(人)に x3(題目)について x4(言語)を使って話す
- verba
- x1 は x2(年齢)の、x3(観点)での子供だ
- ciska
- x1 は x2(文字列)を x3(媒体)に x4(道具)で書く
- pelxu
- x1 は黄色い
- pelji
- x1 は x2(資源)の紙
- pinsi
- x1 は鉛筆/クレヨン
(1)と(2)はそんな難しくないかな。えっと、それぞれ
- 私はあなたに与える。
- 男はロジバンを使って話す。
だよね。{fo la .lojban.}は fo の力で la .lojban. が x4 にあるんだよね。
だね。(3) は結構難しいかも。ひとつだけヒント。
「FA類が付いた項より後にくる、FA類が付いていない項はその次の番目の項となる」
要は「前にならえ!」ってことだね。
あ、ちょうど悩んでたところだった。えっと、述語と項を分けてみよっと。「lo … ku」の形は項だから…。
- 述語 ・・・ ciska
- 項 ・・・ ① lo verba ku、② lo pelxu pelji ku、③ lo pinsi ku
…で、だから、文としては
① ciska fi ② ③
って形なんだよね。fi は ② が x3 にくることを明示してくれて、③は…「前にならえ!」だから x4 にくるんだね。
①は「子供」、②はtanru「黄色い紙だ」を項にしたものだから「黄色い紙」、③は「鉛筆」かな。
うんうん。じゃあ答えをどうぞ!
- 子供は黄色い紙に鉛筆で書く。
かな!
よくできました! 冠詞とtanruとFA類の融合問題だったけど、ちゃんとできたね。
まあね!
True/False Questions
- fo はその直後の項が x4 にくることを表す。
- 次の文、{mi klama fi ti ta}において、ta は x4 にくる。
- FA類とSE類では、FA類の処理が先に行われる。
-/- answers correct!