20. 縛位詞(BE, BEI類)
今回は、述語の表現力を広げつつも、実用上は項の表現力を広げたいと思います!
ん?!デジャヴだ!確か8章の『転換(SE類)』でも同じこと言ってたよね。
だね。まあだから事の流れは経験済みでしょ?早速やっていこう。
「縛位詞」というのははじロジオリジナルの用語です。「位置を束縛する語」という意味で名付けました。
位置ってのは多分 PS の位置のことだよね。それを「束縛する」ってこと?
例を出して説明するよ。
- mi citka lo plise
- 私はリンゴを食べる
- 上の文の述語は何でしょう? また、そのPSは?
この期に及んでこんな初歩的な…。述語は {citka} でしょ? PSは「x1 は x2 を食べる」。
まあ、簡単だよね。そう、{citka}というのは項を埋める穴が2つある述なれ語なわけです。
そこで、{citka}の位置を1つ埋めた、こんなPSをもつ述なれ句を作ってみようと考えます。
- x1 はリンゴを食べる
まあ、あんまり使い道のなさそうなPSではありそうだけども…。
あれでしょ? これに冠詞をつけたら「リンゴを食べる者」っていう項が作れるから表現がめっちゃ広がるっていう…
ああっ、分かってるだろうけどまだ言っちゃダメ!
おほん、ともかく、{citka} から 「x1 はリンゴを食べる」というPSの述なれ語を作ろうというのが今回の話です。be と bei を使うよ。
- be
- 直後の項様体を述なれ語に接続して、より限定的なPSをもつ述なれ句を作る。項(sumti)の場合はx2が埋まる。
- bei
- 2個以上の項様体を述なれ語に接続するときに使う。つまり、1個目はbe、2個目以降はbeiを使う。
- be'o
- 終止詞;be, bei の構造を閉じる。
{sumsmi}の訳語。sumti や タグ付きsumti、タグ ku、FA kuといった、項(sumti)のような語句のこと。
これを使って、さっきのPSをもった述なれ句を作ってみるとこうなります。
citka be lo plise : x1 はリンゴを食べる
で、これに冠詞つけると{lo citka be lo plise}「リンゴを食べる人」になるから表現力がめっちゃ上がるね!って話だよね。
はい、そういうことです…。be と bei はもっぱら冠詞をつける述なれ語にしか使われません。
bei で項(sumti)をどんどん繋げていくと、x3, x4, x5 と順に埋まっていく(PSを縛っていく)ことになります。
また、be や bei の後ろにタグ付き項などを置くこともできます。
PSの位置を項(様体)で縛っていくのに使うから、縛位詞!
- mi klama lo klaji be la .latcmatcad.
- 私はラチュマチャドの街路へ行く。
- lo ckule be fi lo lojbo bei fu la .mikan. cu se stuzi ma
- ミカンによって営まれているロジバンを教えている学校はどこにありますか?
- ko na pencu lo nenri be lo tanxe be fi lo pelji
- 紙でできた箱の中にあるものに触ってはいけません。
- klaji
- x1 は x2 (所)における、 x3 につながる街路/通り/回廊
- ckule
- x1 は x2 (所)で x3 (科目)を x4 (聴衆)に教える、 x5 (者)によって営まれている教育機関/学習施設
- pencu
- x1 は x2 (対象本体)・ x3 (対象箇所)を x4 で触る
- nenri
- x1 は x2 の中(にある); x1 は内部/内側; x2 は x1 を内蔵する
- tanxe
- x1 は x2 (内容)・ x3 (素材)の箱/カートン
- pelji
- x1 は x2 (資源)の紙
ところで、2個目以降は bei を使うのはどうしてなの?
んー、端的に言えば、「構文上の問題が生じるため」かな。
たとえば、上の例文の3つ目では、{nenri be [lo tanxe be fi lo pelji]} ってなってるよね。
1個目の接続は必ず be だから、こうやって構文が1通りに取れるけど、
もし2個目以降も be を使うことにしたら、{fi lo pelji} が {nenri} のものなのか {tanxe} のものなのか分からなくなるよね。
あー、なるほどね。そういえばロジバンって構文が1通りに定まるように作ってるんだっけね。忘れてたよ。
よくできてるよね。
ちなみに、縛位詞で縛った述なれ句ももちろん tanru の部品として使えます。場合によっては終止詞 be’o を省略できないときもあるから注意してね。
下の例文は、同じ内容を今までに学んだ色んな表現で書いてみたものだよ。
- これは建物を洗う機械だ。
- ti dinju lumci minji
- ti lumci be lo dinju be’o minji
- ti me lo minji poi ke’a lumci lo dinju
- ti minji lo nu lumci lo dinju
- dinju
- x1 は x2 (目的)のための建造物
- lumci
- x1 は x2 の汚れ x3 を洗浄剤/用具 x4 で洗う
- minji
- x1 は x2 (機能/用途)の機械
なるほど。tanruの部品として使うと、より具体的な意味のtanruが作れるんだね。かなり役立ちそうだね、縛位詞。
True/False Questions
- 縛位詞を使った述なれ句は文のselbriにはあまり使われないが、sumti化する述なれ句にかなり使われる。
- be に続く項(sumti)は接続した述なれ語の x2 を埋める。
- 2個以上の項様体を繋ぐときのために bei が用意されているが、別に be を使ってもよい。
- lo [selbri] = zo'e noi ke'a [selbri] を踏まえると、lo klama be tu bei ti は zo'e noi ke'a klama tu ti とほぼ同意である。
-/- answers correct!